エリートなあなた
久々のイタリアンレストランのランチには、大満足でお店をあとにしたけれど。
あたたかさが肌を撫でる春の陽気の中、賑わう街を散策する私たちの気分はイマイチ。
それでも緑生い茂る並木道を2人で歩きながら、磨かれたウィンドウ越しにディスプレイされている洋服の春物チェックは欠かせない。
「あー、どっかにイイ男転がってないかなぁ」
「それだと瑞穂…、コンパより確立低いよ」
本人いわく、理性よりも本能が先に動いているタイプの人間なのだとか。
「そういう真帆は、近くにいてもハントしないクセに」
「…だから、私は違うの!それに八つ当たりでしょ、」
「真帆に言わなきゃ誰に言うの?」
「それは嬉しいご指名ありがとう」
ただ社会に出てからの彼女は、これという男性にも巡り会えず不満を募らせている。
また出会いを求めて参加するコンパも、クイーンに苛立つ結果が待っているようだ。
あてもなく歩いていると、一軒の雑貨店の外観のセンスの良さが目に止まり、そのお店に立ち寄ってみた。