エリートなあなた


瑞穂のマンションで久しぶりに飲み明かして、騒いだ週末もすぐに終わり。



月曜日――グレーのシンプルなスーツに身を包んで歩く私がいた。通い慣れている自社ビルに到着すると、たちまち緊張感が襲う。



週明けのエントランスは、いつも以上に活気ある社員の声が響いていた。溶け込むように静かに紛れて、ぎゅうぎゅう詰めのエレベーター内へ私も混ざる。



さすがに金曜日の件は気になるけれど、…目下の心配はエレベーターの到着先でのことだ。



デジタル表示が上層階になるにつれて人も減る。対して私の心臓は、バクバクと忙しい音を立てていた。…この次で降りる番だと。



到着音とともに、エレベーターの扉が開いたのは20階――



同乗している方へ小さく頭を下げながら、さっとエレベーターから抜け出す。



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