エリートなあなた


あのまま一人でランチだったら、いざこざを思い出していた落ち込んでいたはず。



ただ自分のことに構わず、ウソまでついて救って下さった松岡さんには申し訳ない。



それを幾ら謝っても受け入れてくれない彼とともに、到着した試作部のセキュリティ解除する。



休憩時間も構わずバタバタと走り回る部員の中、構造課のスペースまで2人で戻ると。



私たちが帰って来た途端。遠藤さんが跳ねたように立ち上がり、自分の席から走って来た。



「さっきはすいませんっ!2人が付き合ってるなんて知らなくて、」


その声はフロア全体には届かなかっただろうけど。



顔を上げた他の課員を見れば、課全体に聞こえていたことは明らかだ。



< 94 / 367 >

この作品をシェア

pagetop