早河シリーズ第三幕【堕天使】
『上に行って少し休もう』
「上?」
『そう。おいで』
相澤に抱き抱えられて二階に続く階段を上がる。大きな扉を開けた相澤の手で煙草の香りが漂う部屋に導かれた。
「直輝さん、ここは……」
『VIPルーム。一般の客は入れないよ。楽しいことを誰にも邪魔されないスペシャルな場所さ』
ソファーに寝かされた莉央はぐらつく視界を動かした。相澤がVIPルームと呼ぶ部屋には彼以外にも数人の男がいる。
彼らの視線は一様に莉央に向けられ、全身を舐めるようにまとわりつく男達の視線に寒気がする。
『莉央、今夜は楽しいパーティーをしよう。君もそろそろ身体が我慢できなくなってるだろ?』
「やだ……止めて……」
『ごめんね。僕も彼らも、もう限界だ。大変だけど全員の相手をしてね』
四方八方から一斉に伸びてくる気持ちの悪い手。相澤なのか誰かもわからない男にされたキスで開幕した地獄のパーティー。
男達にどれだけ屈辱的な行為をされても訪れてしまう魔の快楽に莉央は混乱する。
(狂ってる……私もここにいる男達もみんな……)
『やっぱりあのクスリは最高だ』
朦朧とする意識の片隅で聞こえた誰かの奇声。
(薬……そうか、そうなのね、何か薬を使って私を……。直輝さんやこの男達も……やっぱり私が飲んだお酒に……)
悪夢のような一夜の後に莉央が目を覚ましたのは相澤の自宅のベッドだった。身体に纏っているものは、昨日身につけていた衣服ではなくバスローブだ。
記憶は曖昧でも身体に植え付けられた感覚は消えずに残り、相澤と彼の仲間に何をされたのか悟った莉央は身震いした。
吐き気が込み上げ、呼吸が苦しい。
『おはよう。よく寝ていたね』
ベッドの側のソファーでティーカップを手にする相澤は優雅に笑っていた。
「上?」
『そう。おいで』
相澤に抱き抱えられて二階に続く階段を上がる。大きな扉を開けた相澤の手で煙草の香りが漂う部屋に導かれた。
「直輝さん、ここは……」
『VIPルーム。一般の客は入れないよ。楽しいことを誰にも邪魔されないスペシャルな場所さ』
ソファーに寝かされた莉央はぐらつく視界を動かした。相澤がVIPルームと呼ぶ部屋には彼以外にも数人の男がいる。
彼らの視線は一様に莉央に向けられ、全身を舐めるようにまとわりつく男達の視線に寒気がする。
『莉央、今夜は楽しいパーティーをしよう。君もそろそろ身体が我慢できなくなってるだろ?』
「やだ……止めて……」
『ごめんね。僕も彼らも、もう限界だ。大変だけど全員の相手をしてね』
四方八方から一斉に伸びてくる気持ちの悪い手。相澤なのか誰かもわからない男にされたキスで開幕した地獄のパーティー。
男達にどれだけ屈辱的な行為をされても訪れてしまう魔の快楽に莉央は混乱する。
(狂ってる……私もここにいる男達もみんな……)
『やっぱりあのクスリは最高だ』
朦朧とする意識の片隅で聞こえた誰かの奇声。
(薬……そうか、そうなのね、何か薬を使って私を……。直輝さんやこの男達も……やっぱり私が飲んだお酒に……)
悪夢のような一夜の後に莉央が目を覚ましたのは相澤の自宅のベッドだった。身体に纏っているものは、昨日身につけていた衣服ではなくバスローブだ。
記憶は曖昧でも身体に植え付けられた感覚は消えずに残り、相澤と彼の仲間に何をされたのか悟った莉央は身震いした。
吐き気が込み上げ、呼吸が苦しい。
『おはよう。よく寝ていたね』
ベッドの側のソファーでティーカップを手にする相澤は優雅に笑っていた。