いつから見えなくなっていたんだろう、自分と君への気持ちが。






自動ドアを抜けると、また灼熱の世界に引き戻されたけれど、変わらぬ暑さにどこか安心した。






初めて行ったスーパーだったけれど、品揃えも良かったし、何よりあの店員さんのおかげで、何かが変わった気がする。






——痛む胸は変わらない。






1番好きだったアイスも、まだ買えない。






彼との思い出にまつわるものを回避してしまっている自分を、情けなく思う。






けれど、今はまだ、それでいい。






今日という日が、過去になり、






やがて思い出となる、その時までは。





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