いつから見えなくなっていたんだろう、自分と君への気持ちが。
もうすぐ家に着く。
まずは汗でベタベタになった服も、下着も、全部脱ぎすてて、シャワーを頭から被ろう。
…と、その前に、アイスを冷凍庫に入れなくちゃだめか。
段取りが上手くいかない思考も、今は仕方ないだろう。
「…ふぅ……」
呆れたわけではないけれど、天を仰げば、青空がどこまでも広がっている。
「……」
空を見ると、何かを願いたくなるのはどうしてなんだろう。
ふと彼のこれからの幸せを碧い空に向かって願いたくなり、そんなことを考えた。
けれど、すぐに思い直して、真っ直ぐに先の景色を見つめる。
———何よりもまずは、私が幸せにならないと。