いつから見えなくなっていたんだろう、自分と君への気持ちが。






もうすぐ家に着く。






まずは汗でベタベタになった服も、下着も、全部脱ぎすてて、シャワーを頭から被ろう。






…と、その前に、アイスを冷凍庫に入れなくちゃだめか。






段取りが上手くいかない思考も、今は仕方ないだろう。







「…ふぅ……」







呆れたわけではないけれど、天を仰げば、青空がどこまでも広がっている。







「……」







空を見ると、何かを願いたくなるのはどうしてなんだろう。






ふと彼のこれからの幸せを碧い空に向かって願いたくなり、そんなことを考えた。






けれど、すぐに思い直して、真っ直ぐに先の景色を見つめる。






———何よりもまずは、私が幸せにならないと。






< 13 / 16 >

この作品をシェア

pagetop