いつから見えなくなっていたんだろう、自分と君への気持ちが。






誰かの幸せを願うことも大事だけど、彼と私は別々の道を歩んだんだ。






それならば、願える対象はもう自分しかいないのであろう。






理屈としてそうだし、もっと本音で言ってしまえば、私だって幸せになりたい。






その気持ちに素直になることで、いつの日か勝手に彼の幸せも思えるようになっているだろう。






時間が解決してくれるのは、きっと本当のこと。






その時が来るまで、私は何度か涙を流すのだろう。






時には彼の存在を欲して、本気で過去に戻りたいと、そう思うのだろう。






でもそれも、当たり前のことなのかもしれない。






だってこれは、ありきたりな、よくある失恋の中の一つ。






特別なことなんて何もない。






ああ、でも————





< 14 / 16 >

この作品をシェア

pagetop