Sunshine Days
そのあとの授業も同じで、上の空。

休み時間に話しかけようとしても、すぐに席をたって立花のところにいくか、教室を出ていってしまう。

昼休みが終わって、次の授業は体育。

「今日の体育は雨だから体育館でバスケだって!」

そう言うとものすごい早業で着替えると更衣室を飛び出していった隼人。

あいつ、バスケバカだもんな。

一応エースだし。

俺も着替え終えると更衣室を出た。

体育館に行く前にトイレに立ち寄る。

用を済ませて、トイレを出ると女子トイレから立花の声が聞こえた。

「でもまだ彼女だって決まったわけじゃないでしょ?」

「絶対彼女だもん…失恋決定だよ…」

そのあとに聞こえてきた春川の声に思わず足を止めた。

失恋?

てことは春川は好きなやつがいて、そいつに彼女がいたってわけか。

だから今日一日元気がなかったんだな。

納得しながら体育館に向かう。

それにしても春川、好きなやつがいたんだ。

あの幼なじみのやつじゃないなら誰なんだろう。

春川の、好きなやつ。

何でこんなに俺が気になるんだ?

関係ないことなのに。

「廉!パスッ!」

ボーッとしていると顔の目の前にボールが飛んできた。

危機一髪、どうにか受けとる。

「ボーッとしてんなよ!試合中だぞ!」

試合って…授業の中の試合じゃん。

隼人は本当にバスケバカなやつだ。
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