Sunshine Days
「この中に明日やってこなきゃいけないプリントあるでしょ?だから早めに持って行ってあげたかったんだけどあたし行けそうにないから、廉君、頼む!」

手の前で顔を合わせる立花。

「お願い!隣の席のよしみで!ね!」



まあ、ポストに入れるくらいならいっか。

どうせ、今日は月乃も遅いし、迎えにいくのもまだ時間はある。

「わかった。」



立花の書いた地図に沿って歩いて行くと、俺がいつも使っているバス停についた。

そっか、たまにここで会うもんな。

俺はここから月乃を見送ってるだけだけど。

バス停の横の自転車置き場から自転車を出すと、それに乗ってまた地図を見る。

地図通りに進むと、住宅地にはいった。

えっと、春川の家は…

あ、あれか。

クリーム色の壁に茶色い屋根の一軒家。

庭には綺麗に紫陽花が咲いている。

春川、と表札が出ていてその下に木で作られたプレートがぶら下がっている。

『たいち ひより ひな まお ゆめ ちさと』

ん?

春川の母親も、ひよりっていうのか?

うちの母親と一緒だ。
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