君は大人の玩具という。



隊員が再び言った。


「あの、看護師も麻酔科も足りないって」

「麻酔科はどうにかなるんだけどなぁ」

「それなら、私が!」

「え?」


今度は牧が目を見開く番だった。


「私、手術室看護師をしています。
 千秋がオペに入ると伝えてください。
 もう一人も、確保できると思います」

「わ、わかりました!」


千秋と言った女性は、
自分と同様誰かを呼ぶ連絡をした。


「驚いたな、まさかオペ看さんだったなんて。
 オペ室で会ってるってことかな?」

「…もしかして、
 消化器外科の牧先生、ですか?」

「そう!当たり!
 知ってくれてたの?」

「あ、はい。
 腕は一流だけど、底なしに軽い女好き…?」

「…」


腕は一流、だからね?

と、一応娘には念押しした。



< 129 / 145 >

この作品をシェア

pagetop