君は大人の玩具という。



「器械出しだけじゃない。
 きょんちゃんは、僕にとって
 一番の看護師、一番の女性だよ」

「…信じられません」

「あはっ、そうだよね。
 でも…」


牧は困ったように笑いつつも
京子から目を離さなかった。


「信じてもらえなくても、
 それが僕の本心だから」


それに、と続けて言った。


「今の言葉、すごく嬉しかった。
 最高のご褒美だよ?
 それに、僕のことでそんなに悩んでたなんて…
 嬉しくて、僕こそどうにかなりそうだ」


眼鏡越しに、熱を帯びた瞳で
京子を見下ろした。


「ツンツンしたきょんちゃんも好きだけど、
 こうやって甘えてくれるきょんちゃんも好き」


真っすぐな言葉に、京子は息を飲んだ。


「べ、べつに…」


徐々に我に返った京子は、
恥ずかしさで体中がマグマのように沸き立った。


「甘えてるわけじゃ、ありません…」

「えぇ~?今のあつーい告白はなんだったの!?」

「告白じゃなくて!
 つ、疲れてるん、ですよ」

「ふーん?」

「そうやってふざけて誤魔化すところが、
 信じられないって言ってるんです!」

「えー?」


牧は胸当たりにある京子の頭に
すっかりぬるくなったミルクティーを乗せた。


「本気になっちゃって、いいの?」



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