君は大人の玩具という。
渚が幹事を引き受けてくれた
総合外科部門飲み会は、
医者の財布に頼った
高級割烹料理亭…ではなく。
大学通り沿いにある、
誰もが学生時代に通い詰めたであろう
安い居酒屋での開催となった。
もちろん、本当に学生と鉢合わせると
まずいため、貸し切りなわけだが。
看護師、麻酔科医、ME、
そして、牧が誘った浅野と荻原、
現在消化器外科を回っている研修医と
かなりの大所帯だった。
安いお酒をガパガパ飲むことに
なんの抵抗も感じない医療者たち。
会は大いに盛り上がった。
あの難しい手術をやり遂げた
牧、浅野、荻原を
誰もが尊敬し、褒め称えた。
だが、決まってこの3人は、
「皆さんのおかげですよ」
と、人のできた物言いをする。
そして、二次会にスナックへ移動する頃には
人数は半分に
皆の酔いは倍以上にできあがっていた。