君は大人の玩具という。



優しく、ない…


「んぅ…ッ!」


噛みつくように激しくて、
息をする余裕もなくて、
頭の奥が、痺れていく。

ワインの味が、
熱とともに伝わってくる。


「…ッ!」


京子は牧の胸に手を置いて、
押し返そうと動いてみた。

だが、ただ添えただけの細い腕は、
牧にあっけなく掴まれ
壁に押し付けられていた。

その間にも、
容赦なく降り注いでくる甘い攻撃に
京子は完全に勝算をなくしていた。

ただ息をするのに精いっぱいだった。


早く終わってって、思うのに…
どうして…?


京子の疑問を察したかのように、
唇が離れた。

フッと小さく笑って、
牧の親指が京子の唇を拭った。


「もっとして、って顔、
 してるよ…きょんちゃんたら」


火照った身体には、
部屋が一段と、涼しく感じた。



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