君は大人の玩具という。



「そんな…してない」

「ううん、してる。
 とっても色っぽい顔しちゃってる」


それはあなたのことでしょう?


そう言いたかったのに、
言えなかった。

牧は京子の額に軽いキスをすると、
瞼、頬、耳…と唇を這わせた。

首筋に柔らかい感触が当たると、
京子の肩が小さく上がる。


「ぁ、ちが…」

「ここ、弱いの?」


熱い舌がゆっくり首筋を這い、
また耳に戻ってくる。

濡れた音が、耳の奥で
恥ずかしいほどに響いた。


「それとも、好きなの…?」


鼓膜を吸われる感覚に、
また身体が勝手に小さく跳ねる。


「へぇ…」


京子は顔は見えなくてもわかった。

牧が口元にいたずらな笑みを
浮かべていることが…。



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