一夏夕涼み
8章 大志 編
終業式を終え、皆んなは部活に行き大志は桂浜に向かった。
今日から夏休みなのはいいが、部活をしていない大志にとってはすこし退屈な日々が過ぎることになる。
そんな日々を支えてくれるのが服だ、今日もまた溢れ出るアイディアをスケッチブックに描きためていくのは良いのだが、今ひとつ刺激のない日々を送っていた。
大志は少しでいいから日々に刺激が欲しかったのだ、毎日が同じように過ぎていく。
自分の作品を誰からも評価してもらえない単調な日々、それすらに慣れてしまっている。
もやもやは消えないままであった、そんな中いつものように桂浜でスケッチをしていた時だった。
普段見かけない少女が龍頭岬にいるのを見かけた。
浦戸の住人はほんんどが顔見知りなはずなのに、彼女は初めて見る、旅行の人に比べたらやけに軽装だし、引っ越してきた人なのかと大志は思った。