一夏夕涼み
「ほら大志今日小松さんを晩御飯に招待してるからね、あんたも配膳手伝って」
うちの晩御飯に人を招待するのはよくあることだ。
よくあることだが、よくないことがある、、、
文香が俺の前の席に座っていることだ!
テーブルを挟んで向かい合わせになる様に文香が座り、その右隣に小松さん、文香の左隣に小松のおじさん。俺の隣に母さんと父さん、あぁー全くいつもこうなんだ、気がつくと大袈裟な夕食会になってしまう。
文香も目の前に出された料理の量に驚いているようだ、海鮮の水鍋に大量の天ぷらや、焼き魚、とにかく魚が多い、まぁ海が近いし漁師の近所さんが食べきれないほどのお裾わけをくれるからなんだけれど。
「さぁ遠慮せずどんどん食べなさいね」
母さんが文香に向かって言う。文香は嬉そうにいただきますと言い食べ始めた、文香はよく食べよく話した、小松さんの妹、文香の母のことや東京のことを聞かせてくれた。
東京で高校に通いながらバイトをしてると聞いて興味が湧いた、なんたってこっちでバイトってたって市場の手伝いか、店番くらいしかないんだ。
母さんと父さんが文香によく質問して、その度に大袈裟にリアクションする、まぁうちの親は何に対しても大袈裟なリアクションしかしないわけだけれど。
「私実は浦戸には一度きたことがあるんです、過ごし小さい時の頃だから覚えてはないんだけれど」
「そうなのよ、これあんまり話してなかったから話しちゃおっかな、啓郎くん!ビール頂戴!」