一夏夕涼み

「おーい大志グーニーズ見つかったか?」

拓弥の呼び声に我に帰った。

「あぁあったよグーニーズ」

俺はデッキにグーニーズのディスクを入れた。

俺は机の椅子に座って、桜と文香はベッドにもたれかかった、直輝と拓弥は堂々と俺のベッドを占領している、部屋の灯りを消して集中してグーニーズを見続けた。

映画を観てるうちに直輝が寝て拓弥が寝た、それに気づいて桜と文香が二人で話し始めた、内容は、、、東京での話しで学校やバイトの話をしていた。

特に文香は桜の恋愛について興味津々で聞きまくった、桜も誇らしげに自分がこれまでにどんな恋愛経験を積んできたかを誇らしげに話した。

二人とも俺も寝ていると思って直輝や拓弥の名前もバンバン出てきて、思わぬイジリのネタを掴んでホクホクしていたわけでもあるんだけれど。

まぁとにかく俺の話題にならなくて良かった起きているのに立ち聞きするわけにはいかない。

グーニーズも残り三分の一ぐらいになってきてついに桜が眠ってしまった。

これで起きているのは俺と文香だけになった、この状況は、、、

俺は直輝や拓弥に「起きてるかー」と囁いて聞いてみても反応がない、、、

「ウソ、大志くんまだ起きていたの!」

文香は目を見開いて驚いていた。

「そりゃ起きてるよ、気づけよ」

「いやそんなの気づかないよばか」

「ばかってなんだよ!」

「全くもう寝ようぜ」

俺は照れ紛れに言い放った。

「そうだね、小松のおばさんもここに泊まってるみたいだし」

俺は直輝から枕と毛布をとって文香に手渡す。

「ありがとう、おやすみ」

「うん、おやすみ」
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