声が出た暁にこの想いを君に
脱衣所にある洗濯機のそばに着替えとタオルを置いて
──これで大丈夫。
髪を無造作に拭く彼を再度手招きし、上がってもらい、風呂場へと誘導する。
「あ、ちょっと待ってもらえます?」
彼は、置いたバッグのところにしゃがみ、開けて中を漁り出したが……
「……あー、やっぱり。分かってたけど中も終わってるし……」
終わってる、とは中の物も雨が染み込んでいたのだろう。
「はぁあ……お風呂借りても?」
『どうぞ』と、風呂場に行くように促して、彼はすんなりと脱衣所に入るとすぐにtシャツを脱ぎ始めた。
──え!?ちょ、ちょっと待って!?
扉を閉めるとか全く気にしてないのか、わたしの目の前で急に脱ぐものだから、慌てて彼の服を下げに行く。
すれば、わたしを見下ろす彼。
「……何ですか」
何ですかはこっちが言いたい……無理だけど。
焦りながらもわたしは身振り手振りで、彼に伝える。
彼の服を指さし、そのままの流れで洗濯機へと指を移動させた。
『服、中に入れて』
一応口も動かすけど、体で表現した方がいいときもあるから。
「ええ、分かりました。タオルはこれを使えばいいんでしょう。着替えも。あと何か?」
はいはい、と今わたしが言いたいこと全て理解してくれた彼に驚いたけど、まぁ……置いてあるのを見たらなんとなく伝わるのかもしれない。
わたしは首を横に振って、扉を閉めた。
──びっくりした……。今のうちにわたしも着替えよっ