声が出た暁にこの想いを君に





でも彼の身長なら……とは思うけど、


多分痛いのは顔だけじゃない。

歩く時もフラフラとしていたし、取ってって頼むのは気が引ける。



ああでもない、こうでもないと、一人首を振っては考え……





──なんか、長い棒あったっけ……あ、傘!






「何一人で百面相してるんですか。何かあるなら言っ……教えて下さい」



ひらめきと同時に訝しげな彼が横に居たことに気付き、お願いすることに。




『箱。は、こ』




わたしが四角、上と口と手で見せれば、彼はそのまま背伸びもせずに救急セットを取り、わたしに渡してくれた。



「……まさか消毒とかするつもりですか?」



凄く嫌そうな顔で。


だけど、なにもしないよりは全然ましだ。



『座って下さい』と彼が先ほど座った場所をさせば、とぼとぼと戻ってくれた。


これで手当てできる。









< 18 / 87 >

この作品をシェア

pagetop