声が出た暁にこの想いを君に
でも彼の身長なら……とは思うけど、
多分痛いのは顔だけじゃない。
歩く時もフラフラとしていたし、取ってって頼むのは気が引ける。
ああでもない、こうでもないと、一人首を振っては考え……
──なんか、長い棒あったっけ……あ、傘!
「何一人で百面相してるんですか。何かあるなら言っ……教えて下さい」
ひらめきと同時に訝しげな彼が横に居たことに気付き、お願いすることに。
『箱。は、こ』
わたしが四角、上と口と手で見せれば、彼はそのまま背伸びもせずに救急セットを取り、わたしに渡してくれた。
「……まさか消毒とかするつもりですか?」
凄く嫌そうな顔で。
だけど、なにもしないよりは全然ましだ。
『座って下さい』と彼が先ほど座った場所をさせば、とぼとぼと戻ってくれた。
これで手当てできる。