声が出た暁にこの想いを君に
「あー……今って大丈夫ですか?」
心底気まずそうな表情に、わたしは思わず噴いてしまった。
昨日、もう会うことはないと思うって言ってたのに……思いがけない早さの再会がおかしくて。
「……笑ってないで、いいのか悪いのか教えて下さいよ」
昨日にも負けず劣らずのずぶ濡れ感に、頷きながら彼を招き入れる。
すぐ昨日と同じように、新聞紙を敷いて荷物を置いてもらい、お風呂のスイッチを押した。
タオルも着替えも脱衣所へ。
「出先で降られて近かったのでつい。先に……シャワー借りていいですか。その後にちゃんと話しますので」
『どうぞ』
「ありがとうございます」
場所を言わずともそそくさお風呂場に向かう彼の姿を見て、戸が閉まったことを確認した。
──良かった。ちゃんと閉めてくれて。
お湯を沸かさないと……と思ってキッチンに足を向きかけたけど、飲みっぱなしのお茶ボトルや畳んだままの服があって、急いで片付けた。