声が出た暁にこの想いを君に
──ゆっくりと目を開けると、昨日あのままベッドに伏せて寝てしまったことに気付いた。
首痛い……
寝起きの目を薄く開け、枕元に目をやれば、わたしの目は一瞬で覚めた。
──え?
彼の姿がなかったから。
抜け殻のようになった布団に手をあてれば、すでに布団は冷たかった。
今起きたわけじゃないんだ。……トイレ?
彼を探そうと振り返った時、わたしの肩から何かが落ち、足元をみれば、
──タオルケットだ……
いつもわたしが使っているタオルケットだった。
布団から抜いてわたしにかけてくれたんだ……
タオルケットを肩からかけ引きずりながらわたしは隣の部屋へ。
──荷物がなくなってる……
帰った、と言うことを理解するには十分だった。
起こしてくれたら良かったのに……そう思ったけど、テーブルにあるボードに目がいった。
しっかり消してテーブル下に置いたはずのボードには、
"仕事、休ませてすいません
看病していただきありがとうございました
まだ完全には下がってなく、うつす可能性があるので一度ネカフェに戻りますね
また連絡します
暁"
一度読んで、二度三度と読み返す。
──……また連絡する、か。早く治るといいな。