声が出た暁にこの想いを君に




「……うん、なんか卒業前よりも顔が明るくなったね」




先生はわたしを見てにこにこしているが……明るくなった?


わたしが?


自分ではそうは思わないけど。




「何か良いことや嬉しいことでもあったかな」




そんなことは──









『……その勝負、食後につけますよ』




『俺のあーん、じゃ不満ですか?』




"また連絡します"








脳裏に過る彼の姿と言葉に、わたしは勢いよく首を振った。






違う違う!なんで出てくるのっ──





「おや、あははっそうかいそうかい。うん、でもそのままのお顔で入れると良いね。心も明るくなるよきっと。それじゃあ次回の予約を──」


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