声が出た暁にこの想いを君に


*─*─*







──はぁ





風呂あがり、乾かした髪を結いながらわたしは残り少ない牛乳をらっぱ飲みした。


溢しそうになり、口の端を拭う。




──あぶないあぶない……



パックをあけて潰してゴミ箱へ投げ入れるモーションに入ったところで、充電中の携帯が鳴った。





──もしかしてっ……




乱暴に放った牛乳パックがゴミ箱にゴールインする前に、わたしは携帯へ走ってメッセージを確認する。




──っ!










"暁"




ディスプレイに表示されたメッセージの主の名前に、胸が高鳴った。






──きたっ!





一度深呼吸をして、彼のメッセージを開く。






"お疲れさんです。"


"日曜日、用事とかありますか?"







……治った?のかな。


ネカフェに戻った後どういう風に過ごしているのか、ここ数日ずっと気になっていたけど。


メッセージを何度も読み、わたしは返信した。





"特にないです"




送ったと同時に読まれたものの、彼からの返事は来なかった。





何だ?日曜日に何かあるの?






聞きたかったけど、返事がくるとは限らないと思い、わたしはよくわからないまま携帯の充電器を抜いた。





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