声が出た暁にこの想いを君に
──日曜日、午後三時を回ったところ。
特に連絡はない。というより、メッセージがくるような気がしない。女の勘というやつだろうか。
フローリングの掃除をしながら携帯をチラチラと見てはいたけど。
──用事があるかないかの話はなんだったんだろ。
……買い物にでも行ってしまおうか。
牛乳、買うの忘れてストックないし。いいよね。
そうとなれば、と玄関にかけてあるバッグに財布を入れて、踵を潰しながら履いたスニーカーでドアを開けた。
「あ」
『あ』