声が出た暁にこの想いを君に




──日曜日、午後三時を回ったところ。





特に連絡はない。というより、メッセージがくるような気がしない。女の勘というやつだろうか。




フローリングの掃除をしながら携帯をチラチラと見てはいたけど。





──用事があるかないかの話はなんだったんだろ。




……買い物にでも行ってしまおうか。

牛乳、買うの忘れてストックないし。いいよね。




そうとなれば、と玄関にかけてあるバッグに財布を入れて、踵を潰しながら履いたスニーカーでドアを開けた。














「あ」






『あ』







< 62 / 87 >

この作品をシェア

pagetop