私立時雨病院

前略、愛しき世界、名もなき詩。





「辛い、苦しいって言えないんです」



ただ、それだけだった。


誰にも言えずに、己の体内に埋もれ込ませる。

それを繰り返し続けて、少しずつ蓄積された何かが、私の身体を支配する。



「気づかなかったんです」



自分への、当てつけだった。


誰かの言葉が救いになるなんて、幻想の世界。

気づいたら、私はこんな事になっていた。私は、私は。
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