すすかけの木陰で
こんな人生だが、本だけが私の救いだった。本の中の主人公は私じゃない。私じゃないから、物語の登場人物になった気分になれるので、よい気晴らしになった。特にお気に入りは、ヨーロッパの文学で、本の虫が高じて、いまは京都の外国語で有名な大学の英文科に通っていた。
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