早河シリーズ第五幕【揚羽蝶】
 フィクションなら雰囲気重視といきたいところを現実問題として考えると、浮気もダメですし、避妊の準備もないなら尚更、ダメです。
避妊をしない浮気はね、もっとダメ。

 おまけに公共の施設(水族館)、合宿中、浮気、そんな状況下で最後までヤッちゃうほど彼らも馬鹿じゃないので、ちゃんと理性が働く二人でした。

 白昼夢での美月と佐藤の場面はめちゃくちゃ雰囲気重視にしちゃいましたけどねっ!白昼夢はあれでいいのよ。

 これで美月嫌いになった、幻滅したと言われちゃうと作者悲しいかなぁ。
でも何を思うのも読者様の自由なので、私だったら美月と同じことしちゃうかもよって小話でした。



▼episode3.蝉時雨

 本編でもくっつくのか微妙な関係だったお二人さん。めでたくいちゃラブになりました。

 真紀の強がりの鎧。強い人間なんて誰ひとりとしていなくて、強いと思われる人も本当は強がりの鎧を纏っているだけなのかもしれませんね。

その鎧を脱げる場所はきっと、大切な人の前。強くなくていいよ、ありのままでいいよ、弱虫でいいよ、そう言ってくれる人が現れた時、強がりさんはやっと鎧を脱ぐことができます。

 この話については……実はあまり語ることもなく、見たままです。
早河さんは他人の恋愛事にはナイスアシストなのに、ほんと自分のことには鈍感です。かなりの鈍感探偵です。



▼episode4.乱反射

 episode4の冒頭は早河シリーズ主人公の早河さんの、とある夏のお話でした。

 第二幕【金平糖】に登場した有紗が再登場で早河さんをぶんぶん振り回しています。女子高生に翻弄される早河さんは可愛いなぁ。

 美月と隼人の喧嘩を描いたのも初めてですね。なんとか仲直りできてよかったです。
この二人も小さな喧嘩はあっても、ここまでの本気の喧嘩は交際3年間で初めてのことでした。

美月の心に居座り続ける佐藤の存在も、隼人は触れないようにしていたからね。それが莉央の登場と美月の浮気をきっかけに、ふたりとも爆発してしまった感じですね。
この喧嘩場面での隼人サイドの話も、作品として今後に登場します。

        *

 episode1~episode3の物語の共通点に気付かれた方はいらっしゃるかな?
スパイダーの話、美月の話、真紀の話、どの話も夏に死んでしまった過去の恋人・好きな人を偲ぶ物語となっています。

そしてepisode4に登場する早河仁、香道なぎさ、高山有紗、クイーンの寺沢莉央も夏に大切な人を亡くしています。

早河は父親と先輩刑事(香道)を、なぎさは兄と堕胎した子供を、有紗と莉央は母親を、それぞれ夏の時期に失っています。

 【夏物語】は大切な人を夏に亡くした人の喪失と懐古の物語でした。
どの夏物語がお好みでしたか?


 次作、第六幕【砂時計】に繋がる伏線もチラ見えしてます。
暗躍するケルベロス、明鏡大学に現れたキング、彼らの目的とは?

次は第六幕【砂時計】をお届けします。
自画自賛となりますが、【砂時計】の早河はめちゃくちゃ格好良いです。めちゃくちゃ主人公しています。

 作者のベスト・オブ早河どれ?と聞かれたら、間違いなく【砂時計】の早河にします。それくらい作者のお気に入りの次回作、お楽しみに✧
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