早河シリーズ第五幕【揚羽蝶】
本編あとがき(読みたい人だけどうぞ〜✧)
 第五幕【揚羽蝶】は女のドロッとした面を前面に出している作品です。
でも、誰でもこういう面は持ち合わせていて、「犯罪者の一歩手前まではみんな行ってしまう可能性があるよ」ってことを書きたかったんです。

 特に何かしたわけでもないのに何故かあの人に嫌われている、生きていればこんなこともありますね。

自分が嫌う側になることも、嫌われる側になることも、陰口を言う側になることも、陰口を言われる側になることもあります。

 昨日まで仲良くしていた人が手のひら返しで自分をイジメているグループに加わっている……なんてこともあります。嫌な言い方ですが、それが人間なんですよね。

 2009年時点の話なので、その時代に主流だったブログが登場します。前作【紫陽花】にもブログは出てきましたね。

 前作【紫陽花】を読了の方はわかると思いますが、早河となぎさにとって6月はなかなかハードな月です。

第四幕【紫陽花】と第五幕【揚羽蝶】を時系列にしてみると、それはそれはハードなスケジュールになります。
次から次へと事件が起きますねー、なんてアブナイ世界なんだ。

 【紫陽花】と【揚羽蝶】、この二作は双子のような関係です。
紫陽花から見れば裏側が揚羽蝶、揚羽蝶から見れば裏側が紫陽花になる構造。
揚羽蝶での早河となぎさの介入も紫陽花の事件が解決してからです。

 さらに【紫陽花】と【揚羽蝶】の裏側が早河シリーズ派生作品の【Quintet】です。第一章で美月とゴールデンウィークにキャンプを楽しんでいた友人の葉山沙羅はこの【Quintet】の主人公。

こちらは早河シリーズ本編とは違って、沙羅と4人の芸能人との同居ラブストーリーとなっています♡

【Quintet】の物語スタートは2009年4月、早河シリーズ本編だと、第三幕【堕天使】の本編エピローグ辺りに該当します。
少しだけ早河も登場しますし、早河シリーズの裏側の物語として楽しめる作品となっています。

【Quintet】のこの場面の後には早河シリーズ本編であの物語のあの事件が起きて……と、シリーズ本編と【Quintet】の出来事を時系列順で並べてみると恐ろしいことになります(苦笑)

 そして【揚羽蝶】で満を持してっ……!です。
前作【紫陽花】でキングが中国への国際電話をかけていたのは、このための伏線でした。

 本編より先にあとがきを読む読者さんもいらっしゃいます。
だから今回はネタバレ防止のために詳細は伏せますが、私はこの展開を書くために早河シリーズを序章の【白昼夢】から【揚羽蝶】まで積み重ねてきました。

ここまで色々と構成と仕掛けを練って書いてきているので、できれば【あとがき】ではなく、本編で内容を知ってほしいなぁと思っております。
【白昼夢】の頃からこの展開を予想されていた読者さんも、もしかするといらっしゃるかな?

 この後の物語については、第六幕【砂時計】……の前に、【揚羽蝶】と【砂時計】を繋ぐ夏の短編集【夏物語】を連載します。

 短編集ではこれまでスポットライトの当たらなかったあんな人やこんな人の夏のお話が四篇、この夏を経験して、彼らの物語は次作【砂時計】に繋がります。

【短編集 夏物語】は今後の伏線も盛り沢山なので、できれば飛ばさずにお読みいただくことをオススメします。

 時間軸は【揚羽蝶】エピローグ後からのスタートです。引き続き、お楽しみください。
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