一ノ瀬さん家の恋愛事情。
だけどあたしの身長は止まらなかった。

男子と一緒にグングン伸びて、最終的にはお姉ちゃんも抜かし、お父さんより少し低いくらいの172センチでようやく止まった。

男子からは相変わらずジロジロ見られるし、女の子たちはいいなーモデルみたいで!なんていうけどあたしは全然嬉しくない。

それでもなんとか笑ってやり過ごせていたのはバスケがあったから。

コーチもキャプテンも褒めてくれたし、秋山になら安心してセンターを任せられる、と言ってくれた。

三年の時はキャプテンになって高校も私立の強豪に行きたいって思ってた。

それなのに、あたしは最後の試合で足を痛めて手術。

もうバスケをできない身体になってしまった。

悔しくて、辛くてたくさん泣いた。

大好きなバスケができなくなることがすごくすごく苦しかった。

だけど受験は待ってくれない。

泣いていても足は治らないよ!と強めの優しさで励ましてくれたくるみと猛勉強をしてなんとか無理だと言われていた春日台に合格。
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