一ノ瀬さん家の恋愛事情。
「そうなんだ、男子バスケ部、俺姉がいるよ!」

はい、知ってます。

これもくるみから聞かされたこと。

「咲耶、男バス入るの!?マネさんに一ノ瀬愛先輩いるよ!!他のマネさんもめちゃくちゃ可愛い子揃いなんだって!」

なんて入る前から不安になるようなこと煽ってくるんだ。

「一ノ瀬君は何に入るの?」

「んー、俺はね…」

「一ノ瀬君は軽音部!だよな!」

大きな声がして、顔を上げるとそこに立っていたのはニコニコと笑う大柄な男の子。

えーっと、確か名前は…

「榎本君、まだ考え中だって言ったでしょ、」

「え?そう?ま、いいや!」

なんか明るい人だなあ。

「軽音部かあ、なんか高校生!って感じだよね。」

「俺楽器とか初めてなんだよね、なんで俺なんだか…」

「大丈夫だって!楽しいぞ!音楽は!」

榎本君を少し困惑気味で見る一ノ瀬君。

にしても榎本君、体格いいからてっきり運動部だと思い込んでた。
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