一ノ瀬さん家の恋愛事情。
そして一週間後、登校してきた一ノ瀬君は大きな黒いケースを背負ってきた。

「はあ、よいしょ!」

だいぶお疲れ見たい。

「軽音部入るの?」

この一週間でだいぶ話すようになったあたしたち。

一ノ瀬君は可愛らしい見た目とは裏腹に結構男の子!って感じのきっぱりした性格。

そのギャップも魅力の一つらしく、知れば知るほど彼のファンは増える一方。

「望には負けたよ、それにまあ、早く帰ってもすることないしね。」

仕方なさそうにいうその横顔はほんの少しだけ赤くなっている。

暑かったのかな?

すごい息きらしてるもん。

「それギター?」

「ううん、これはベース。一番上の兄がバイトしてるバーの人から借りれたんだ。」

バーでアルバイトかあ…

かっこいいなあ。

律先輩かな?

美耶お姉ちゃんの卒アル見せてもらったけどすごい爽やかなまるで若手俳優みたいな人だった。

けど一ノ瀬君はあんまり似てはいないような…
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