一ノ瀬さん家の恋愛事情。
器用にあたしの短い髪をアレンジしてくれる。

「できた!琢磨!入っていいよ!」

「うわ!咲耶、すげえかわいいよ!」

鏡の中のあたしは少しお化粧もしていて、なんだか自分じゃないみたい。

わりと似合ってるかも…なんて。

「これで相手も咲耶に惚れちゃうな!」

「ほんと!かわいいよ、咲耶。」

お姉ちゃん、琢磨君。

「ありがとう!」



集合場所はお祭りがある神社の近くにある公園。

あたしが一番初めに来たみたい。

張り切りすぎて集合時間までまだあと15分くらいある。

みんな考えることは同じみたいで、待ち合わせをしているカップルや友達同士のグループがたくさん。

屋台もここの公園でもポツポツ出てるみたい。

「咲耶ー!」

すでに屋台で買ったらしいりんご飴を持って歩いてくるのはくるみと川上君。

「わあ!浴衣めっちゃかわいい!咲耶すごく似合ってるね!」

「ほんと、大人っぽい!モデルさんみたいだ。」

二人に褒められてなんだか少し恥ずかしいけど嬉しい。
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