一ノ瀬さん家の恋愛事情。
絶叫系…

私、すごく苦手だ。

特にジェットコースターなんてもってのほか。

でも、もしかしたら一ノ瀬君は乗りたいのかも。

「…あんまり得意じゃないけど、一ノ瀬君が乗りたいなら…」

そう言うと、一ノ瀬君は笑った。

その笑顔にまたどきんと胸がなる。

「よかった、俺も苦手なんだよね。もし綾瀬さんが好きって言ったらどうしようかなって今めっちゃ悩んでた。」

そうなんだ…

一ノ瀬君も、絶叫系苦手なんだ。

「じゃあさ、観覧車は?高いところは平気?」

ジェットコースターは苦手だけど、高いところは割と好き。

特にタワーの上から見る夜景なんてワクワクしちゃう。

「うん!」


と、言ったはいいけど、観覧車って気まずい!

席は向かい合わせに座ってるからどうやったってこの狭いゴンドラ内では少し顔を上げるだけで一ノ瀬君と目があってしまう。

ゆっくり、ゆっくり少しずつ空に上がっていく私達二人を載せた水色のゴンドラ。
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