一ノ瀬さん家の恋愛事情。
エマの大きな目にうっすら涙が溜まってる。

「咲耶と同じ人、好きになったこと、なんかちょっと嬉しいの。だってあたし、咲耶のことも大好きなんだもん。」

本気なんだ。

きっとこんな話をするのはすごく勇気がいっただろう。

なのにエマはあたしをまっすぐ見て話してくれた。

「うん、あたしもエマと友達になれてすごく嬉しい。それとあたしも譲る気はないから。」

こんなこと、きっと少し前のあたしなら怖くて言えなかった。

一ノ瀬君のおかげだ。

「ありがとう、咲耶!もう、大好き!」

「エマ!ジュース溢れるから!」


いよいよ明日から文化祭が始まる。

未来を変えるのは自分でしかないんだ。

後悔はしたくない。
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