一ノ瀬さん家の恋愛事情。
俺が一方的に微妙な関係って思ってるだけだけど。

それから受付は結構忙しくて、愛姉や彼氏の聡太さん、りっちゃんも来てくれたけどあんまり話せる時間もなかった。

隣にいる秋山さん。

何を考えているんだろう。

さっきのことがもやもやする。

なんで俺、こんなにムカついてるのかな。

やっぱり俺も、もしかして…

「咲耶!」

秋山さんを呼び捨てで呼んだその声に思わず顔を上げる。

「あ、夏川!来てくれたの?」

「おう、後でうちのクラスの縁日にも来てよ。なかなか繁盛してるらしい。」

「そっか!よかった〜!」

すごく仲良さげに話すその相手は隣のクラスの、確かバスケ部の夏川君。

秋山さんと並んでも全然大きくて、男の俺から見てもかなりかっこいい。

「あとで咲耶ものぞきに来てよ。」

「うん!あとで行くね。」

俺にはそんな顔、見せてくれないのに。

「咲耶ー!休憩入って!あ、一ノ瀬君も。」

次の翔也と間宮さんにバトンタッチ。

「あーあ!せっかくだから咲耶とまわりたかった!」

「そんなこと言うなよ!」
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