一ノ瀬さん家の恋愛事情。
すると風馬はポケットから何かを取り出して俺達に見せた。

「遊園地のフリーパス、バイト先の店長にもらったんだ!みんなで行こうぜ!」

「みんなって、男だけで?」

「バーカ、希奈たちも誘うんだよ!で、な、そこで律、お前ひなのちゃんに告白しちゃえよ、な!」

「は!?あ、綾瀬さんに告白!?無、無理だよ!」

だって告白なんてしたことないから、どうすりゃいいのかさっぱりわかんねえし!

「だーいじょーぶ!好きって素直に伝えりゃいいからさ!俺達も協力するし!な!瑛斗!」

「うん、和華にも言っとくね。がんばれ、律。」

そんなこんなで迎えた当日。

俺は朝からずっと緊張していた。

恥ずかしくて、ドキドキして。

そして午後、風馬がバラバラに行動しようと言い出した。

「律、ファイト!」

別れる前にそんなことを俺の耳にささやいて。


ひなと二人きりになって乗った観覧車。

話すこともなくて無言。
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