一ノ瀬さん家の恋愛事情。
そう、なのかな。

俺はひなとしか付き合ったことないからよくわからない。

ひなとそういうことするのは嫌じゃない。

むしろ俺だって男なんだから、興味はある。

だけど初めての俺がひなを怖がらせないか、うまくできるかどうか、心配なんだ。

ひなだって初めてなわけだし、雑誌とかの情報によれば女の子の方は初めてはかなり痛いって聞いたことある。

大切だから、ひなが大切だから傷つけるようなことはしたくない。


「律君？どうしたの？なんだか今日、ボーッとしてる。」

授業が終わって、ひなと二人で大学の図書館で勉強。

シャーペンを持つ手は止まっていた。

「あ、いや。何でもないよ。」

風馬があんなこと言うから、めちゃくちゃ意識してしまう。

「そうだ、律君、もうすぐバレンタインでしょ、なにかリクエストとかある？」

そう言ってひなが見せてきたのはチョコレートのお菓子作りの本。
< 88 / 248 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop