一ノ瀬さん家の恋愛事情。
そういえば再来週はバレンタイン。

二月十四日は玲と愛の誕生日でもある。

「チョコケーキ、玲君好きだったよね。愛ちゃんたち誕生日でもあるし、作って持って行こうかな。」

俺にだけでなく、俺の兄妹にも気を遣ってくれるひな。

ひなのそういう優しいところ、すごく好き。

「律君には去年は生チョコだったっけ。」

あれ、結構うまくいったんだよ、と笑うひなはものすごくかわいい。

いつだったか、風馬がいっていたことが頭をよぎる。


『もうさ、可愛くて、好きで好きで仕方なくなったら触れたい、近づきたいって思うんだよ、男ってのはさ!』

俺は、ひなに触れたいのか?

もっと、もっと近づきたい。




家に帰って夕食の席。

いつものように騒がしい我が家の食卓。

そんな中、俺は兄弟たちの顔を見渡す。

こいつらも、もしかして…

いやいや、真と優はともかく、玲と愛はまだ高校生だぞ!
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