一ノ瀬さん家の恋愛事情。
黒縁メガネがものすごく似合うイケメンだ。

「俺は初めてじゃなかったけど、それなりに緊張したよ。和華は初めてだったし…」

そうなのか!

「なになに、何の話ー?」

「うお!希奈!」

「何、その慌てっぷり。なんの話してたのよ!」

俺達の後ろにはお盆を持った希奈ちゃん、和華ちゃん、そしてひな。

今の、聞かれてないよ、な?

「なんか六人集まるの、久々だね。よし、食べよ食べよ!」

必然的に風馬の隣には希奈ちゃん、瑛斗の隣には和華ちゃん、そして俺の隣にはひな。

「律君、今日はカレーなんだね。私は寒いからうどんにしたよ。」

そんなことをニコニコ、俺に言ってくるひな。

ほんと、純粋無垢って言葉がぴったり。

「なあ、ひなのちゃん!バレンタインの日、律、一人なんだって!律の家に行ってやってよ!」

おい!

風馬、余計なこと、言って!

「えっと…」

ひなは困ったように笑う。
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