一ノ瀬さん家の恋愛事情。
~♪~♪

うわ!

びっくりした。

この着信音は、ひな。

「も、もしもし!?」

『…もしもし、律君?』

もしかして、もう来た!?

時計を見るとまだ九時半。

それに心なしかひなの声が少し震えているような…

『ごめんなさい、私、今日、行けなくなっちゃった…』

「え?なんで?」

『ごめんなさい!本当にごめんね!』

そう言うとひなからの電話は切れてしまった。

何が起こったんだ?

ひなの声、元気もなかったし。

どうしよう。

もしかして風邪でも引いたのか?

でも昨日あったときは元気だったよな。

本当に、何で?

よくわからなくて、混乱してる自分がいる。

よし、落ち着け。

とりあえず、どうする?

二年以上付き合ってきたけど、喧嘩なんて一度もしたことがない俺達。

ひなはめったに怒ったりしないから。

いつもニコニコ笑っていて。

そうだ、和華ちゃん。

和華ちゃんに電話してみよう。
< 94 / 248 >

この作品をシェア

pagetop