一ノ瀬さん家の恋愛事情。
今日は雪がちらつくほど寒い。

「とりあえず、家行こう。ここ寒いし。」

「…っ…」

あっ、そうか。

ひなの不安の原因。

「何もしないから、ちゃんと話そう?」

そう言うと、ひなはこくんと頷いた。


家について、二人分のコーヒーを入れる。

そしてこたつに入って、向かい合った。

「ごめん!」

まず話を始めたのは、俺。

とりあえず、謝りたかった。

ひなを不安にさせてたこと、勝手に計画していたことを謝りたかった。

「俺、ひなの気持ち考えずに勝手なことしてて、本当にごめん。ひなが嫌な思いしてるのに気が付かなかった。」

ひなはフルフルと首を振って、涙で潤んだ瞳で俺を見上げた。

「…違うの!私、律君と、そういうことするの嫌じゃない。嫌じゃないの。」

そ、そうなの?

てっきり嫌なんだと思ってたんだけど。

「…でもね、私、そういうことするの、初めてだし、全然わかんないし、…恐かったの。」
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