婚活難民令嬢の幸せもふもふ家族計画~愛のない結婚で狼皇子の継母になった私のはなし~
そこまで心配して探さなくてもいいのにとは思うのだが、一度倒れたせいだろうか。
「そうだったの。ごめんなさい。また別邸に行ってくるから、心配しないで」
「お坊ちゃまのところですか?」
「うん」
「私も早くお坊ちゃまにお会いしたいです~」
マリンが身体をくねらせて言った。使用人からしたら会ったことがないアッシュに興味を持つことは自然のことなのかもしれない。
「まだまだ人見知りなの」
「私、子どもの相手が得意なので、大丈夫だと思います! ぜひ、連れてってください!」
「ありがとう。でも、まだ他の人に会わせるのはできないの」
シャルロッテは眉尻を下げた。
アッシュが人間の姿になるまで、誰にも会わせられない。その理由を人見知りのせいだということにしていた。
「人見知りなら尚更、人に会うことに慣れたほうがいいとおもいます!」
「そうね。カタル様にも相談して、そのうちね」
シャルロッテの言葉にマリンは「お願いします!」と大きな言葉で言う。使用人たちは気になっていたとしても、そこまでアッシュの心配をしていると思っていなかったから驚きだ。
シャルロッテはマリンから逃げるように別邸に向かった。
アッシュとオリバーはまだ勉強中のようだ。
部屋の扉が少しだけ開いている。シャルロッテはそっと隙間から覗いた。
「アッシュ、本日の授業は終わりにしましょう」
「やだ! もう一回」
「困りましたね……。あまり頑張りすぎもよくありません」
アッシュは頭を大きく横に振る。オリバーは困ったように眼鏡をあげた。アッシュは両手で耳を隠すと、悔しそうにオリバーを見上げる。
「アッシュはママの子だから、おみみもしっぽもいやらない……」
困惑を隠しきれないオリバーの横顔が見えた。アッシュが唇を噛みしめる様子が思いつめているように見えて、胸がギュッと苦しくなる。
「……ママと同じになれる?」
アッシュの悲しそうな声が部屋に響いた。
「そうだったの。ごめんなさい。また別邸に行ってくるから、心配しないで」
「お坊ちゃまのところですか?」
「うん」
「私も早くお坊ちゃまにお会いしたいです~」
マリンが身体をくねらせて言った。使用人からしたら会ったことがないアッシュに興味を持つことは自然のことなのかもしれない。
「まだまだ人見知りなの」
「私、子どもの相手が得意なので、大丈夫だと思います! ぜひ、連れてってください!」
「ありがとう。でも、まだ他の人に会わせるのはできないの」
シャルロッテは眉尻を下げた。
アッシュが人間の姿になるまで、誰にも会わせられない。その理由を人見知りのせいだということにしていた。
「人見知りなら尚更、人に会うことに慣れたほうがいいとおもいます!」
「そうね。カタル様にも相談して、そのうちね」
シャルロッテの言葉にマリンは「お願いします!」と大きな言葉で言う。使用人たちは気になっていたとしても、そこまでアッシュの心配をしていると思っていなかったから驚きだ。
シャルロッテはマリンから逃げるように別邸に向かった。
アッシュとオリバーはまだ勉強中のようだ。
部屋の扉が少しだけ開いている。シャルロッテはそっと隙間から覗いた。
「アッシュ、本日の授業は終わりにしましょう」
「やだ! もう一回」
「困りましたね……。あまり頑張りすぎもよくありません」
アッシュは頭を大きく横に振る。オリバーは困ったように眼鏡をあげた。アッシュは両手で耳を隠すと、悔しそうにオリバーを見上げる。
「アッシュはママの子だから、おみみもしっぽもいやらない……」
困惑を隠しきれないオリバーの横顔が見えた。アッシュが唇を噛みしめる様子が思いつめているように見えて、胸がギュッと苦しくなる。
「……ママと同じになれる?」
アッシュの悲しそうな声が部屋に響いた。