彼の溺愛の波に乗せられて
そして家の前まで送ってもらう。

「ありがとう。パスタごちそうさま」

「ああ。また行こう。お休み」

「お休みなさい」

車から下りる。

送ってってなんて自分から言ったくせに、寂しいだなんて思ってしまう。
もっと一緒にいたいって。

なかなか家の中に入らない私に天寿はクスッと笑う。

「ほら、行きな」

「天寿が先に行ってよ」

「雅ー」

ああもう!
わかったわよ!

「おやすみ天寿」

「おやすみ」

その言葉を最後に私は家の中に入った。

そして二階の自分の部屋へ入って窓の外を見れば天寿はもういなかった。

行っちゃった…。

そのままバフっとベッドにうつ伏せになる。

もう会いたいよ。
私をこんな風にさせて、責任とってよね。



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