彼の溺愛の波に乗せられて
ビッグウェーブ
〜天寿side〜

雅を家に送り届け、俺もマンションに帰りソファにドサッと腰掛けた。

危なかった。

食っちまいそうだった冗談抜きで。

バッチリ反応してしまったし。
たくよ。
大人しくしてろっての。

あんなんで反応するとか中学生かっつーの。

笑える。

雅の優しさに触れて心が痺れた。

あんな小さな身体なのに俺を抱きしめた力は強かった。
逞しかった。

さすがに気持ちの整理もついたと思ってたけど、いざ親父の事を口にするとやっぱりグッと来るものがあった。

雅はそれに気づいてあんな事したんだろう。

敵わねぇな。

マジで連れて帰りたくなったわ。
よく耐えた俺。

あいつはちゃんと俺を見てる。

立ち上がり冷蔵庫の中から冷えたビールを出してその場ですぐに飲み干した。



< 106 / 301 >

この作品をシェア

pagetop