彼の溺愛の波に乗せられて
後日、早朝に雅が来て軽く波に乗る。

「雅、明日から俺アメリカ行ってくる」

「アメリカ?」

「ああ。ちょっと頼まれて、イベントのゲストで出ることになったんだ」

「すごい! こっちでも見れる?」

「多分見れると思う」

「絶対見る!」

「ははは。一週間くらいしたら帰ってくるよ」

「うん。気をつけてね!」

あーキスしたい。

そんな事を思ってればなんと雅が抱きついてきた。

そして俺に抱きついたまま見上げる。

なぁ。
本当にさ。

俺はそのまま雅を抱き上げた。

また息が唇にかかるほどの距離になる。
この可愛い小さな唇に食らいついてしまいたい。

「ふふ」

雅が笑う。

「ははは」

俺も笑う。

この距離な。
どっちが先にリタイヤするのか競争でもしてるみたいに。
< 109 / 301 >

この作品をシェア

pagetop