彼の溺愛の波に乗せられて
「もうほら、浮いちゃったんじゃんボード。こうなったらあと落ちるだけよ」
そう言って、雅人はリプレイのスロー画面を指差しながら説明する。
「あれって中どうなってんの?」
「ぐるぐる巻きよあんなん」
凌雅が手をぐるぐる動かす。
「波のパワー桁違いよあれ。まず普通なら立てない。弾き飛ばされるんだよ」
え。
でも普通の波だってそれなりにパワーいるもんね…
すぐ近くに船が待機してるけど…
大丈夫なんだろうか?
てか飲まれた皆んなはちゃんと救出されてるの?
LIVE中継とはいえそこは映さないようにしているのかさっきから波に乗ってるところばかりが繰り返し流されてる。
「ねぇ。これ、みんな助かってるんだよね?」
「ん? ああ。ちゃんとレスキュー隊もいるしジェットスキーも周りに待機してる。みんなスーツも着てるし」