彼の溺愛の波に乗せられて
早く会いたい。
ちゃんと顔見たい。

「雅大丈夫かー?」

「怖かったんか?」

なんて言って二人の兄はご機嫌なのか、私を甘やかすモードになって二人が頭を撫でてきた。
そしてティッシュで涙を拭いてくれる。

この人たちは、私に容赦ないけどこうして甘やかす時もあるのだ。

これまで私の頭を撫でていいのは兄貴たちだけだったけど、今は天寿にあの大きな手で撫でてもらいたい。

私を野良猫と言うのなら、懐いた私を拾って欲しい。

可愛がってよ最後まで。

テレビに映される天寿に語りかけるように聞こえるはずもないのにジッと見つめた。

みんな夜中ともあってそれぞれに帰っていく。
愛莉は凌雅が送って行くらしい。

愛莉はみんなの前だったからか、特に私に何も言ってこなかったけど時折り目が合えば頑張れって言ってるみたいな顔をしてくれた。
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