彼の溺愛の波に乗せられて
繋がる
「雅ー。ただいま」
天寿はもう一度私に声をかけるとおいでと言ってるように手を広げた。
聞きたいことが山ほどあるのに結局私は嬉しくて、肩にかけていたリュックを投げ捨て天寿のところまで走ってそのままジャンプして飛びついた。
「天寿っ! おかえりなさい!」
天寿は私をキャッチする。
私はギューっと全身で抱きついてしまった。
「ははは。雅」
聞いたこともないような甘い声で名前を呼ばれ顔だけゆっくりと天寿に向ける。
目が合い、お互いの吐息が唇に感じる程に近づく距離。
ドキドキと鼓動が速まりこの数センチの距離をどちらが先に縮めるのか探り合うようにお互いの唇を見つめる。
先に動いたのは天寿だった。
天寿はここが外だと言うのに私の唇を食べるみたいにキスをしてきた。
僅かに開いてしまった唇の隙間から舌を入れられ、私の舌を捕まえゆっくりと動く深いキスに本当に溺れてしまいそうになる。