彼の溺愛の波に乗せられて

「偏見とかなしで見て欲しかったから」

やっぱりそうだったんだ。
天寿くらいの人でもそんな風に思うんだ。

「私がそういう女に見えてた？」

私はついそんな責めるような事を言ってしまう。

「雅…勘弁して。俺今必死なのよ」

本当に困ったみたいに眉を下げて笑う天寿が愛おしくてたまらない。

「天寿。もう一回言ってよちゃんと」

ごめんね天寿。
私、欲しがりなの。
今知った。

「雅、好きだ。付き合ってくれ」

天寿は私の目を見てしっかりと伝えてくれた。
その瞳は真剣そのもので、私にとってはもうプロポーズされてるくらいの感覚になった。

私もその気持ちに応えたい。
私も伝えたい。
こんなに好きなんだよって事を。

「天寿。私も好き。私が野良猫ならちゃんと最後まで可愛がって」

それでも私の口はこんな言い方になってしまう。
でも本当だもん。
可愛がってよ。