彼の溺愛の波に乗せられて
「当たり前だ。お前もな。俺をこんな風にさせて」
鼻と鼻を合わせてキスするみたいに擦り合わせる。
「こんな風にって?」
「このまま連れて帰っていい? ベッドで教えてやる。ゆっくりな」
そう言って艶めかしく微笑む天寿を前にして私は逆らうことなんて出来なくなって頷いてしまった。
「あ、あの…」
私初めてって、一応ちゃんと言った方がいいよね?
「私…その…初め」
すると天寿はそっと私の口を指で蓋するように塞いだ。
「大丈夫。ありのままで。俺に任せて」
何この人!
カッコ良すぎないか!?
惚れてまうやろ!
いや、惚れてんのよそもそも。
そして私の車はそのまま置き去りにして、天寿のマンションへと向かう。
天寿は途中でしっかりと箱を買っていた。
しかもそれを私にそのまま持たせるという荒技。